鉄道改善提案の2つ目のテーマは、「全特急列車へ本格的グリーン車の設置を」です。
◆「特急グリーン車」の思い出
私は20代の頃、全国各地に鉄道旅行をしていた。特急が停車していたらホーム上から車内を覗いたものであった。そしてグリーン車の号車まで足を運んで、見つけたらまた覗くのであった。
そして「グリーン車は座席がでっかい!」「格がある!」などと興奮したのを思い出すのである。
◆JR北海道のグリーン車は魅力的
私には北海道にはまった時期があった。当時、JR北海道は特急の高速化が行われ新車投入されていた華やかな時代であった。グリーン車の連結している列車の新車では、「スーパー北斗」、「スーパーおおぞら」、「スーパーとかち」があり、その後「スーパー宗谷」「スーパー白鳥」が登場したのである。
JR北海道のグリーン車は「2+1列シート」であり、普通車の「2+2列シート」に比べてゆとりのある座席配置であった。そしてグリーン車だけにあるドリンクサービス(当時)は特別感を抱かせてくれたのである。このように、JR北海道のグリーン車は特に魅力を感じたのである。実際にグリーン車を選択する乗客も多かった。
私はJR北海道の特急の切符を購入するときに、普通車にするかグリーン車にするかよく迷ったのである。なお、グリーン料金は、
「100Km超200Km未満が2670円、200Kmから400Kmまでが4000円(当時)」
であり、決して安くはない料金設定であった。そのため、
「奮発してグリーン車にしようか、断念して普通車にしようか」
この迷いがまた楽しみであった。
グリーン車に乗るときはとても楽しみで「グリーン車に乗るんだ」とワクワクした。そして乗って「座席がでかい」「シートピッチが広い」「こんなに深くリクライニングできる」などと豪華感を満喫したものであった。
◆いったん特急グリーン車の特長を整理します。
特急グリーン車とは何か。それは、より快適性を高めてくれて、より豪華な気分にさせてくれて、そしてより楽しませてくれる座席なのである。
◆近年のJR東日本の残念な動きについて
・近年、JR東日本は新型車両のグリーン車について、普通車と同様の「2+2列シート」と幅を狭くしている傾向である。多くの乗客を収容するという考えとはいえ、これはきわめて残念なことである。
・例えば、255系(房総用)、E257系(中央本線用)、E259系(成田エクスプレス)、E657系(常磐線)、そしてこれから登場するE353系(中央本線新型車両)などが「2+2列シート」に該当する
・シートピッチは1160mmと、奥行きでは確かにグリーン車のゆとりのある距離ではある。しかし幅が狭く、あの堂々たる幅がなければグリーン車と名乗らないでほしいのである。
・ちなみに、JR東日本では、グリーン料金について値下げをした。
「100Kmまでが1030円、200Kmまでが2060円、300Kmまでが3090円、301Kmから700Kmまでが4110円、700Km超が5140円」
となっている。
(注:JR北海道・JR東海・JR四国では値下げせずに高い料金のまま)
しかし極論をいえば、値下げしなくてもいいから堂々たる座席にしてほしい、のである。グリーン料金が100Kmまでが1030円」ということは、普通車指定席との料金差が510円でしかない。
◆グリーン車を連結しない特急はグリーン車を選択すらできない
グリーン車を連結していない特急列車も登場している。例えば、房総用E257系である。この車両はすべて普通車である。2017年1月現在、外房線「わかしお」は朝上りの1本を除いてこの車両であり、内房線「さざなみ」はすべてこの車両である。
これらの特急列車に乗るときには、グリーン車を選択する余地すら無いのである。お金に余裕のある乗客であっても普通車しか選べないのである。つまらないことである。
比べてJR西日本では、乗客が少ない路線ですら特急にグリーン車を連結している傾向がある。奮闘しているといえるのである。
◆グリーン車よりもさらに格上の座席も積極的に導入を
JR九州では、787系という車両の一定数にて「DXグリーン」というグリーンよりもさらに格上の座席を3席設けている。リクライニングでは相当深く傾斜することができる。このような座席を選べることはとても楽しいのである。
また、東北新幹線のE5系、北陸新幹線のE7系では「グランクラス」という最上級クラスの座席が登場した。グリーン車よりもはるかに快適な座席・高級な空間を提供している。
このように、路線によってはグリーン車よりもさらに格上の座席を積極的に導入して、乗客に楽しませてほしいのである。
◆まとめ
(1)特急グリーン車とは、より快適性を高めてくれて、より豪華な気分にさせてくれて、そしてより楽しませてくれるものです。
(2)グリーン車は普通車に比べて格差を付けてほしい。特に「2+1列シート」は必須である。
(3)できるだけ多くの特急列車にグリーン座席を提供してほしい。
(4)路線によっては、グリーン車よりもさらに格上の座席を積極的に導入してほしい。
(最終更新日 2017年1月16日)
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